確認

エロゲからだいぶ足が遠のいていたものの、全く触れていなかったわではなく。
ちょっと更新したらどうなるか試してみたくて、あとアカウントってまだ有効なのかなあとか。


・王雀孫
・土天冥界


あたりが最近の気分です。ジャクソン先生はつり乙2には名前がなくなっていたので、非常に悲しい気持ちです。
ここらで一回保存。


しかしわたしがココで更新していた5年前と比較して、ソーシャルツールというのは、大きく変化しましたね。まさか、Twitterがここまで普及するとは思いませんでしたし、わたしなんて当時は特に自分の身の回りにいない人とのコミュニケーションを主体に使っていたものの、今では多くの方はより身近な人とのコミュニケーションに用いているようです。
それに伴い、ブログの力は一部を除いて弱まってきているように感じるし、特に個人が発信するんだったら、やっぱりTwitterが主流なんじゃないかなあという感じがします。と言うか、スマホ普及の影響が大きいですよね…ブログと違って、Twitterみたいな即時性が求められるものとの相性は抜群かなと。


それにしても、当時はブログが流行っていたとはいえ、それでもインターネットを使う人の一部しか手を出していなかったように思いますが、スマホが普及してハードルの下がったSNSとしてのTwitterを見てて思うのは、「アウトプットする人の多いこと」に驚きです。なんだ、みんな承認欲求あるんじゃん!なんて思ってしまうと嫌われるだろうな…
でもお気に入り or RT or いいね!とか、それの最たるモノでしょうし、スターがつくのとか、ブックマークされるのとかとおんなじですよね。


全然日記の趣旨とは違うことを書いてしまいましたが、ココを更新していた数年前と比較して、明らかに衰退局面に入ってしまったエロゲ文化を、それでも応援したいな〜と思うから久しぶりに更新してみました。 というか、ココの存在が脳内からスッポ抜けていたので、思い出した以上は更新することもあるかと思いますが、ぜひ宜しくお願いします。
(だったらもっとプレイしろ、というツッコミはナシで。)

生存報告

[
お久しぶりです。生きてます。
この春、無事社会人になりまして、今までの生活とのギャップに衝撃を受けている毎日です。というか、小・中・高と順調にリズムを作ってきながら、なんでいきなり大学生で楽にさせるんですかね。まぁ、自由度を高めてやるからその分自己研鑽しろということなのでしょうが、わたしみたいなもんはただ堕落するだけでしたよ…


というわけで、忙しいながらもすこしずつ更新再開していこうかなと。その報告記事なんて書いてみました。


それにしても、Twitterというツールはよく出来ていますよね。
エロゲーの感想なんかも、ツイートすることで即反応が帰ってきたりしますし、ふぁぼったーというサービスによって承認されてしまえば、それで欲求は満たされてしまうわけです。140字という制限はあるにしても慣れてしまえば枷というよりも、見る側にとってはちょうど見やすいわけでして。簡潔さで興味を持ってもらうには適当な数字なのではないでしょうか。140字×nという風にツイートを重ねることで、一つのまとまった文章を作り出すこともできますしね。また、ブログのコメント欄ってなんとなく抵抗があって気軽に書きこむことが出来ないのですが、Twitterであればつぶやくのと同じ感覚でリプライ(コメント)することができる。しかも、Twitterというのは性質上必ずしもリプライを返さなければならないなんてことはなくて、非常に自由に感じています(実はこの辺は最近どうなのかわかりませんが)。


ただまぁ、Twitterはあくまでも”つぶやき”に主眼を置くものなので、それこそ1000字オーバーなんて一定以上長い文章には向かないわけです。ですので、やはりブログも大切にしたいと思っています。たまに、何かしらアウトプットしないとなんだか自分の感覚も鈍ってしまうような気がしますしね。


偉そうなことを言っておきながら次の更新がいつになるのか全く目処がたちませんが、これからもお付き合い願えたら嬉しく思います。

おすすめアニメ・ゲームソングヘッドホン

前回のBALDR SKY レビュー記事をFiRSTRoNさまに取り上げて頂きました。いつもありがとうございます。また、企画屋代表でありBALDR SKYの制作にも関わられた小林且典氏からTwitterにて感想を頂けるという幸せな出来事もありました。ありがとうございます。クリエイターの方から直接コメントを頂いたのは初めてだったので非常に嬉しかったですねー。どうせだったら、もうちょっと内容に踏み込んだ感想にすればよかったな…


さて、今回はいつものエロゲ関係の記事とは変わりまして、もう一つの趣味であるオーディオ関係の記事を書いてみます。


おすすめアニソン・ゲーソンヘッドホン


ヘッドホン娘なども流行りまして、オタク界隈におきましてもヘッドホンに興味を持っている方も多いと思います。というわけで、今回は個人的におすすめなヘッドホン、その長所や短所などをメモ感覚でご紹介します。一応アニソン、ゲーソンとしていますが、ほとんどわたし自身エロゲー曲しか聴きません… ですので、エロゲー曲を聴きたい方に参考にしていただけると嬉しいですね。


ATH-A900(or A500)/audio-technica
密閉型。定番中の定番かもしれません。アコースティックなものでも、打ち込みでも、どちらでも万能にこなしてくれます。音自体は硬め。ただ、逆を言ってしまうと短所がないかわりにこれと言った長所も見つからないかもです。最初に買っておくと安心ですが、ヘッドホンやオーディオに興味を持っていく過程で使わなくなってしまう、と言う話もよく聞きます。ちなみにA500はスペック的にA900よりも劣るのですが、A900よりも若干テクノや打ち込みに合う気がします。聴き比べると面白いですね。


HD595/SENNHEISER
開放型。音はやわらかく明るい印象。女性ボーカルやアコースティックな雰囲気の曲が得意。電子音系は苦手かもしれません。決して聴けないということはないのですが、ヘッドホンの性能が曲の持つ良さを殺してしまう形になってしまいます。他には、付属のヘッドホンスタンドが使い勝手が良くて◎。ヘッドホンだけでなく、付属品にも気を配れるメーカーは素晴らしいですね。個人的に、DucaやWHITE-LIPSなんか聴くと素敵だと思います。


DJ1PRO/ULTRASONE
密閉型。全体的に硬めの音ですが、高音のきらびやかさ、小気味良く鳴る低音から、テクノ・ハウスやトランスなど、打ち込み系との相性が素晴らしく良いヘッドホンです。独自の機構S-LOGICを採用しており、かなり癖のある鳴らし方をするのでぜひ試聴してみてください。短所としては、ナチュラルな表現が非常に苦手で、ソースによっては本当に同じ曲を聴いているのか!というぐらい音が変わってしまうこともあります。特にアコースティックな音を好みとしている方は要注意です。I’ve soundやave;newを聴くとハマりますね。


まとめ
様々なジャンルの音楽を良い音で聴きたい → ATH-A900
やわらかい音を繊細に聴きたい → HD595
打ち込みをノリよく聴きたい → DJ1PRO


価格帯的に1〜3万円だとこの3本がそれぞれ特徴的で面白かなぁと思い紹介してみました。まずはこれらを試聴してみて、そこから自分の好みの音を見つけて行くと良いですよ。
好評であれば、もっと機種を増やして第2弾をやりたいと思います。


番外編
そもそも、アニメやエロゲーの曲をわざわざお金をかけて聴く必要はあるのか
わざわざ高いお金を払ってまで、機器をそろえる必要があるのか、という問題です。はっきり言って、いわゆるアニソンやゲームの予約特典で付いて来る様なCDは一部を除いて決して録音が良いとはいえません。例えばJPOP等他のCDと比べてみても、残念ながらその音楽に対して費やせる予算が段違いなのです。わたしがそれでも機器にこだわる理由は、自分が気に入った曲をできる限り良い音で聴きたい、という点に尽きます。そもそも、音楽なんて自由なものなのです。何よりも自分が満足する、ということが最も大切なのは言うまでもありません。無理に高いお金を出してそれで良い音を聴いていると自分に納得させるのは非常に寂しい。今の環境で音楽を聴くのに満足しているならば、そこから無理にステップアップする必要はないのです。結論としては、現状に満足しているか否か、で判断するといいと思います。それでもよくわからない、というならば、実際にお店に行って試聴してみましょう。オーディオ機器というのは非常に体感的な面が強いので、お金を出す価値があるのかないのか、そこで判断するのが一番かもしれません。

優しい楽園を― BALDRSKY DIVE.1「LOST MEMORY」+ DIVE.2「RECORDARE」/戯画

BALDR SKY DIVE.1「LOST MEMORY」+ DIVE.2「RECORDARE」/戯画

ご無沙汰しています。今回はバルドスカイの雑感でも。例によってネタバレがありますので、ご了承ください。


はじめに
バルドシリーズに触れたのは久々で、最後にプレイしたのがリベリオンでした。リベリオンが個人的にあまり良い出来ではなかったので、大した期待もせずにプレイしはじめましたが、これが大変面白かった。進めるうちに少しずつわかっていく真相、ループなのか平行世界なのか、ミスリードも用意しながら展開される物語は要求を満たしてくれるものだったと思います。ただ、ACTパートが多すぎた気もしますが…


構造
構造として、本作は面白い形を取っています。1〜5までは、順調に物語を積み重ね、6=空ルートでは、それらの積み重ねをなかった事にしてしまう。いや、正確にはなかったことにはしていないのですが、積み重ねというよりは並行にしてしまった。ここら辺が、プレイヤーにとって評価の差がでる部分じゃないでしょうか。確かに、わたしも5章までの積み重ね、その上で、満を持しての空ルートと思っていましたので。言ってしまえば、真ルートまででバルドスカイは一つの終りを見せてしまいます。そして、そこから先は、プレイしての通り本当に甲にとっても空にとっても過酷な物語だと。5と6の間にある隔たりは、他の数字との間にあるものとは断絶しています。ある意味甲にとって、5で終わらせておくことが幸せだったのかもしれません。少々それてしまいましたが、1〜6ではなく、1〜5と6、この思考が必要なのではないでしょうか。多少強引にでもそれをプレイヤーに強いたため、このような構造になったのではないかと。


エロゲーとしての面白さ
エロゲーの面白さは個人的には2通りあると思っています。1つは、作品のシナリオを練に練りこんで、仕掛けで驚かせたり、あるいはプレイヤーの心を揺さぶったりするパターン。こちらは、正統派と言いますか、そもそものシナリオに力がなければ成立しないので、ライターの実力が大きく影響します。もう1つは、演出で見せるパターン。こちらは、例えば、音楽ですとか、ムービーですとか、またはそれらの要素をどこで表現するか、ということで、主にシナリオ外の要因によって構成されます。エロゲーというのはこれらの両方の要素がからみ合って作品を形成しています。シナリオだけ面白くても、演出だけ良くても、高い評価を得られるわけではありません。その上で、誤解を恐れずにいうならば、バルドスカイは演出の物語だったなぁと思っています。読み進めていくうちに、物語によっては敵とぶつかることもあるでしょう。そんな時、実際に自分がプレイヤーキャラクターを操作してその敵を倒すことができる。これはかなりの快感です。また、ここで聴きたい、というBGMが絶妙なタイミングで流れてくるのも素晴らしいなと思いました。もちろん、シナリオが一定以上のレベルに到達しているのは間違いないのですが、そのシナリオに関しても、積み上がってくるもどかしさや辛さを、最後の瞬間に解放できるような(=プレイヤーがカタルシスを得られるような)構造になっているので、うまくACTというシリーズの売りと絡めたなぁという印象です。


ACT
アクションパートがバルドシリーズの売りなのが間違いないのですが、本作ではなんだかテンポが悪く感じてしまいましたね。不必要な戦闘が多かったというか。わかりやすく言うと、物語のスピード感を損なうような配置が多かった。もちろんボス戦なんかは、BGMも込みでいいタイミングで仕込まれていたように思いますけれど。こればかりは、ゲームとしての楽しさを、アクションとADVどちらに見出しているのかにもよりますね。


総括
アダムとイヴ的な作品にほとんど触れていなかったせいか、最後のシーンはちょっと感動してしまいました。また、それだけがすべてではなくて、並行した世界では、それぞれのヒロインと幸せな未来が広がっているのが非常に良い。それをしっかり物語で表現して救っているところも。また、記憶遡行…というより、記憶の原風景が学園にあるところも好ポイントです。プレイヤーとして灰色のクリスマスが待っているのはわかっているのですが、それでもその瞬間瞬間を生きる若者というのは見ていて気持ちが良かった。記憶遡行では、重大なイベントなんてほとんど起きているわけではないのですが、徒然と続いていく日常。だからこそ、主人公の依り処になったのでしょう。青春にはそれだけで価値があるということを、改めて思い知りました。同時に、失われたものを取り戻そうという様は、なんとも健気で切ないものだと。バルドスカイはACTが面白ければ、それでいいやと思っていましたが、シナリオ面でも想像以上に楽しませてもらったので大変満足しています。逆に肝心のACTパートにバランス調整的な難があったように思いますが… それにしても、バルドシリーズは卑影ムラサキ氏ありきだなぁと思い知らされました。丸戸史明氏が離れている今、戯画の期待というのはほとんど彼が引き受けているのではないでしょうか。チームバルドヘッドの次回作にも期待します。


そういえば、最後に出てきたギガマインってなんの自虐なんでしょうね。さすがに笑ってしまいましたけれども。メガマインからギガマインに進化したよっていうだけではないと思いますが(笑)

守られるべき聖域 真剣で私に恋しなさい/みなとそふと

真剣で私に恋しなさい/みなとそふと


本文はネタバレを含みます、ご注意ください。
今回は自分でもやりすぎかな、と思うくらい意見が飛躍しているところもありますが、戯言程度にお受け止めください。


はじめに
つよきす」「君が主で執事が俺で」の流れを汲んだタカヒロの最新作です。軽快に読みやすいテキストと随所にちりばめられたパロディ・ネタの数々。熱い展開から感動まで、全体としてバランスの良い作品でした。共通ルートではわいわい楽しく、個別ルートに入っては登場人物の成長を、リュウゼツランでは仲間について。個別に関してはキャラクターによっては多少のずれはありますが、おおむねこの流れで展開しています。中心におかれるのは風間ファミリーであり、プレイヤーは物語を通じてそこに共感していく、擬似的にファミリーに加わったような感覚でストーリーを楽しむことができます。


パロディ・ネタ要素について
しかし、パロディというのはどうしてそこまで人気を集めることができるのでしょうか。はっきり言って、元ネタを把握していない人間にとっては、なんのことかさっぱりわかりませんし、おいていかれたような気分にさせられることも多いはずです。「君が主で執事が俺で」に関してはパロディが過剰に盛り込まれており、その部分が指摘されていました。それに比べれば本作はオリジナル(=パロディに頼らない)の笑いもしっかりあり、頼りきりにならなかったのは良かったのではないでしょうか。比較的、本作をやるような人々にとっての共通項(アニメ・マンガ・ゲーム)から、元ネタを取り入れているにしても、やはり中にはマニアックなものもあり、完全に楽しめるかといえばそうではないはずです。もちろん、すべてを把握することができるのが一番楽しめるわけで、ここら辺に不満が集中せず、支持されているのには不思議な印象を受けます。しかし、タカヒロの持ち味の一端をパロディが占めていることも間違いなく、結果ユーザーの完璧な満足と彼らしさというのはトレード・オフな関係になり、両者とも納得せざるを得ないのでしょう。おそらく。


リュウゼツラン
リュウゼツランルートが仲間の物語だ、と一般的に言われているのはわかるのですが、わたしは更に一歩進めて、リュウゼツランルートは「許しの物語」であると言いたいです。冬馬ファミリーVS風間ファミリーというのはそのまま展開されていたのですが、風間ファミリーのヒロインである「百代・一子・京・クリス・由紀江」それぞれにも物語がきちんとありました。百代は、多くのルートを通じて自分の力を常に発散したい・戦いたい=戦闘狂のように思われています。またそのことから、周りに強い人間がいないということにも不満を感じています。しかし、実際には身近な場所に板垣辰子という強敵が存在し、そして仲間が傷つけられ自分を見失っても禁じ手・人水母は使わなかった。つまり、辰子によって世界にはまだまだ強い人間がいるということを認めることができ、また力に関しても自制できるということがわかります。一子は、一子ルートにおける努力が才能を超えることができなかったというのを、ルー師範代VS釈迦堂に重ねることができます。ルー師範代は師範代である以上、武術の才能があったわけですが、努力の人間が圧倒的な才能を超えうるとして、一子の想いは報われるのではないでしょうか。ただ、ここで言っておきたいのは、一子ルートの結末である栄養士としての道が間違っているというわけでは決してありません。あくまで、師範代を目指していた頃の、あの瞬間の彼女の想いが報われるという意味です。京はそのままシナリオで表現されるように、小雪との対比で。京は大和によって救われましたが、小雪は拒絶されたために、どこか欠けてしまった。冬馬によって救われている…というより、小雪が一方的に強く依存している関係で、どうしたって不安定さを感じます。もし子どもの頃に京が拒絶されていたら小雪かそれ以上に壊れてしまう可能性もあったわけで、京が救われたという事実を強調しています。クリスは、正義のために生きるという彼女のイデオロギーを、わかりやすい悪である板垣組との対立で。由紀江も、自分の持っている力を常にもてあまし気味でしたが、暴力としてただ振りかざすのではなく、弱い者を守るために使うのであるということを、多くの人々を助けていくところから理解することができます。

このように、リュウゼツランルートにおいては、それぞれのヒロインの行動・価値観が許されていく(=認められていく)構造になっています。個別ルートにおいて、ヒロインを尊重し生かすというのは当たり前なのですが、まとめルートにあたるリュウゼツランにおいて、マクロでは冬馬ファミリーと風間ファミリーとの対立を描きながらも、ミクロ的にはそれぞれのヒロインを生かすことができているのがしっかり考えて作られているように思いました。


ベストプラクティスの吸収
さて、本作はタカヒロ氏と交流のあるライターのヒット作の影響を受けているだろうと思うことが何度かありました。丸戸史明・るーすぼーいと新鋭ライターとして交流が深いことは有名です。例えば、仲間の構造やその聖域に関しては、丸戸作品の影響。街を巻き込んでの展開は、るーす作品にそうした展開がありました。単なる偶然や考えすぎという気もしますが、何かしらの影響を受けていたとしてもおかしくないでしょう。また、誤解のないように言いますが、別に両氏の作品を真似したとか模倣だとか、そんな陳腐なことが言いたいのではありません。あくまでも要素としてです。成功体験の吸収は決して否定できることではないはずです。


タカヒロの描きたかった世界
タカヒロ氏の作品に関して、わたしは「つよきす」以降ずっと感じていることがありました。それは非常に「ジャンプ」的であるということです。ジャンプというのは、あの週刊少年ジャンプのことです。そして、その三大原則は「友情」「努力」「勝利」です。タカヒロ作品は、美少女ゲームであるという前提から「恋愛」を中心にして、これらの要素を加えています。恋愛を中心に…とは言いますが、ジャンプ自体、いつの時代もラブコメ作品は定番なわけで、言うならばタカヒロ作品を構成するものの多くは、やはりそれといえるのではないでしょうか。しかし、ここでわたしが思うのは、果たしてこのまま「ジャンプ」であり続けて良いのか?ということです。なぜならジャンプが読みたい人はジャンプを読むでしょうし、美少女ゲームを堪能したい人にとってはどうでしょうか、非常にどっち付かずの印象を持ってしまいます。「つよきす」で確立した手法をそのまま発展させたのが「真剣で私に恋しなさい」です。次回作も同じ手法が通用するかと言ったら、それほど甘くないのがこの業界でしょう。ぜひ、「タカヒロ」らしさ、というものをもっと獲得して欲しいと思います。タカヒロを批判する声の中には、「パロディは所詮他人のふんどし」という意見があります。ですが、それにしたって適切な位置に配することができるのは、やはり彼の才能でしょう。せっかくここまで人を惹きつける才能があるのですから、そこに胡坐をかかずに、よりプレイヤーを驚かせるようなシナリオを届けてくれることを、ファンとして期待しています。言うなれば、ジャンプの中のタカヒロではなく、タカヒロの中のジャンプを見たいと思います。


まとめ
つよきすで本格的にファンになったわたしとしては、「真剣で私に恋しなさい」は本当に待ちに待った作品でした。売り上げ的にも成功しているようで、タカヒロ氏の人気の高さを改めて実感しています。全体的な尺不足から、どの展開にしても中途半端だった前作に比べて、本作は、長さはもちろん展開も充実していました。中でもリュウゼツランルートは、想像の遥か上を行きましたね。バトルはあるだろうと思っていましたが、まさか街を巻き込むような大きな事件になるなんてまったく想像できませんでした。キャラクターの魅力も物語の長さに比例するように感じられ、どのキャラクターも可愛くできていると思います。ファンディスクの製作も決定しているようで、そちらも楽しみにしたいですね。期待を裏切らない話題作でした。

くるったシーケンスは もどらない

キラ☆キラで瀬戸口氏の魅力について十分に触れていたにも関わらず、わたしがそれ以降深く入ることが無いまま引退してしまった彼が、エロゲー古今東西にてエロゲー規制問題について語ると聞いてはいてもたってもいられず、さまざまな予定をかなぐり捨ててまで瀬戸口・唐辺作品に触れていました。現時点において、キラ☆キラ、CARNIVAL、SWAN SONGPSYCHE…までコンプ・読了し、残るは犬憑きさんのみになりました。(本来なら、CARNIVALの小説版も読むべきなのでしょうが、さすがに難しい。)9/1のイベントには夜行で行く予定なので、その時間つぶしにでも読もうかなと思います。


以下、Twitterでポストしたことを繋げて雑感など。


CARNIVAL
狂気の物語でした。シナリオ1において、最後の選択肢は、「僕には、何もわからない 」という、思考の放棄を選ぶことで物語が進むことに、薄ら寒さというかまさに狂気を感じました。どの結末においても、冒頭で主人公が「殺人」を犯したという事実に違いはなく、その殺人からどこをどう辿ればこの結末に辿り着くのか、思考が飛びすぎてて理解できないような話も、気がつくと無理やり納得させられている。事件の解決というよりは、登場人物それぞれが抱えている罪にスポットが当たっていく構成でした。罪の許され方や認め方も特殊だとは思うのですが… 最後には、理紗のためになら神にでもなろうと決めますが、そこで悪魔を出さなかったのがなんとも学らしい。彼がこれまでしてきたことは、やはり彼にとっては正義だったのだと。それを象徴しているようでした。個人的にすごく気に入っているのは倉嶋氏によるOPムービー。あんなに綺麗なアニメーションなのに、実際には何の意味も持っていない。キャラクターごとの背景を膨らませれば確かにこうだろう、という妄想はできるけど、結局そこ止まりです。何というか、このムービー自体が実にCARNIVALらしいです。開発体制が万全であれば、もう少し他の登場人物について掘り下げられたのかな、と。勝手な想像ですが。


SWAN SONG
こちらも罪の要素が強い作品でした。極限状態における人間の心理は、それこそ違和感なく瀬戸口氏の文体とマッチします。それぞれの登場人物にしっかりと役割を振り、壊れていくもの、裏切られるもの、それでも信じようとするもの…などなど、立場を明確にすることで荒唐無稽になりそうな物語をしっかりまとめていました。内容については、言及すべきことがあまりにも多すぎて、それはそれでもう一度記事を書きたいな…と思っています。それにしても、わたしにはちょっと難しい作品でした。


瀬戸口廉也作品における魅力のひとつには、間違いなく主人公の力があると思っています。「ぼく」という一人称によって語られる心理描写は圧倒的すぎて、唯一無二な世界に一気に引き込まれてしまう。それから、ビジュアルノベルという形式も、氏の作品にはまっています。というのも、一度にあの圧倒的な心理描写をずらっと表示することができるのは、視覚的に捉えるという意味で非常に有利だからです。とくにCARNIVALのような作品ではそれ「らしさ」を演出するのに外せない要因でしょう。現に、CARNIVAL、SWAN SONG。キラ☆キラの3作品はビジュアルノベル形式ですね。


SWAN SONGの感想の前に、瀬戸口作品における主人公の特徴を並べたら面白いかなと思っています。まぁ、わたしに分析する力はないので、それぞれで比較…ということはできないでしょうが、それでも何か価値はあるかな。そういえば、もし、このブログを見ている方で、「エロゲー古今東西 金町工場長かく語りき」出張版!に参加される方がいられましたらtwitterにてご連絡ください。もし互いの都合が付けばお話しましょう。

eden* 体験版

コミケ終了後初更新。コミケに関してはまたしばらく後に何か書くかも?今回は多くの人と出会えた、出会いのコミケでした。一人一人との出会いが自分にとっての刺激となり、まだまだ勉強しなければ、と強く思います。コミケというきっかけでの参加でしたが、買うことよりも、出会うことのほうが遥かに有意義だなぁと。楽しい時間をありがとうございました。


前回の記事をFiRSTRoNさまをはじめ、各サイトさまにとりあげていただきました。ありがとうございます。結局、ホームページではなんのアナウンスもありませんでしたね。新作を控えて、目立つような発言をしなかったのでしょうか。(考えすぎですね。)


さて、今回はeden*の体験版をプレイしたのでその感想など。
シナリオ内容に関しては、まだまだ導入でどうにもこうにも発言できないので、それ以外の要素について。


キャラクター
シオン:知的でクールな印象。公式でのシオンのご挨拶(練習中)ボイスや公開されていたCGのイメージからもう少しやわらかいキャラクターと思っていました。
エリカ:マイペース。キャラクター造詣に、声優である中島裕美子さんの影響を受けているような気がします。シオンと二人でなかなかバランスが取れているのではないでしょうか。
榛名亮:職務に忠実な、いわゆる軍人タイプ。過去に何か傷を持っているというか、因縁がありそうです。エリカに誰かを重ねているあたりは、何故かはるのあしおとを思い出しました。
稲葉直人:声優はefの火村と同じ遠近さんでした。ただ、演じているキャラクターの個性・性格がまったく違うので既視感がなくて良いです。こちらも、造詣に関して演者に影響を受けているような。
浅井・F・ラヴィニア:公式からの印象よりは、だいぶ可愛らしかったです。ただ、端々に冷酷さというか、自分を曲げないような部分が見られるのが面白い。芯の強い女性でしょうか。

公式ホームページと、プレイ時ではキャラクターの印象がだいぶ変わりました。キャラクターの外見は、当たり前ですが、視覚的情報に過ぎず、その内面に影響を及ぼすかと言うと必ずしもそうでないことを、身をもって実感しました。記号=キャラクターのすべてではあまりにも面白くないので。それが大切な場所もあるのでしょうけれど。


その他
minoriの新作には、脱ef(efにとらわれないという意味で)をわたしは期待していたのですが、どうもefの派生系の物語のようですね。それはそれでいいのですが、どうしても理不尽な比較をされてしまうような気がして、そこが不安ではあります。

今回の体験版は、内容の紹介もさることながら、演出力アピールの意図が強かったように思います。minoriとしては、ロープライスで出す本作に、彼らが言葉にしている以上に実験的な役割を担わせているのでしょう。大作を出す前には実験作を、というのはnbkz氏の言葉ですが、それでも毎回ユーザーの心をつかむ作品を提供してくれるのがminoriです。圧倒的な演出力に、優れたシナリオが伴うならば、これほど素晴らしいことはありません。ぜひとも期待したいところです。


最近完全にminoriブログになっているような…