放課後プレイ/黒咲練導

本当に今更だけど、放課後プレイ読みました。というわけで、ちょっと整理してみた。


・登場人物
女 ゲームオタク 黒髪 黒スト 不器用
男 ゲームオタク 不器用

この二人には名前がつけられていない。彼氏彼女という関係は最初から出来上がっていて、二人以外に出てくる人間はいない(作画として登場しない)ので、名前という個性を必要としなかった、ということでしょう。


放課後プレイはどうしてこんなに人気があるのか
それはやっぱり登場人物の二人の持つ関係性の魅力に尽きるんじゃないかな、と。恋人だけど、そこから先にはまだ進んでませんよ、という二人が、互いの趣味であるゲームを中心に放課後を過ごしていく。ちょっと先に進んでみようと思っても、お互い引っ込み思案で上手くいかない。その危うさが1冊通して丸々描かれている。だから、そういった関係の機微に興味の無い人にとっては非常につまらない作品だと思うし、だからこそ逆にオタクにはとてもウケる。萌えって言葉で片付けてしまえばそれまでだけれど、その中身にはさまざまな要素が混在していて、本作はキャラクターの記号ではなく、関係という要素が凄く強い。例えば、本作の女の子だけでは魅力にならないだろうし(記号はもちろん持っているのですが)、ましてや男の子だけでも魅力にならない。自分がいて相手がいる、という関係が上手く萌えを引き出している


最後の展開は思った以上に過激で、これ以降の展開は同人誌で補完してくださいってことなんだろうけど、正直ここまでいかないでも良かったかな、とは思う。ただ、第一話から後半に行くにつれて、二人の関係が動いてきているのが凄く良い。一話ごとにリセットされるのではなく、きちんと積み重ねているものがある。電撃プレイステーションは月2回刊だったので、そのペースで連載されていると二人の関係を丁度リアルタイムで追う感覚で、より楽しめたのかと思うとちょっと悔しいなぁ。まとめて読むからこそわかる魅力というのもあると思うけど。進行してく関係に重きを置くという意味では、場面場面で切り取ってしまえば魅力は大きく損なわれてしまうわけだし。


というわけで、放課後プレイは、やきもきしたい!という人におススメ。単にやきもきさせられるだけではなく、ある程度は報われるし(笑)ネット上で散々話題になっていて今更おススメというのもどうかと思うけど、それにしても興味のある人はぜひ。損はしない甘酸っぱい時間が過ごせますよ